フィカス・ベンガレンシスは緑の大きな丸い葉と白い幹が特徴的な人気の観葉植物です。沖縄で生産されているゴムの木の中でもウンベラータやアルテシマについで人気がありますが、生産量がそこまで多くないので希少性が少し高くなる品種です。ベンガレンシスは夏場に枝が伸びやすい品種ですので、順調に育てていると剪定が必要になってきます。
フィカス・ベンガレンシスの剪定方法
剪定にはいらない枝や葉っぱを間引いて減らしていく剪定と、新しい枝を出させて樹形を作り直す為の剪定があります。いらない枝を間引いていく剪定はいつでもやってしまって大丈夫です。
樹形を整える為の剪定は時期や方法を間違うと最悪の場合枯らしてしまうこともありますので、しっかりポイントを押さえる必要があります。
剪定をする目安
- 葉っぱが多くなってきた
- 枝が伸びて樹形が崩れてきた
- 葉っぱが痛んできた
剪定時期
ベンガレンシスは暑い時期に剪定をした方がよいです。7月頃であれば温度に関しては間違いないと思います。ギリギリ剪定が大丈夫な時期が、沖縄だと3月〜9月、関東方面だと4月〜8月。もっと寒い地域だとやはり7月がベストだと思います。
事前準備
剪定前にベンガレンシスの勢力(力)を強くしていた方がよいです。剪定をして新芽を出させるにはエネルギーが必要です。勢力が弱いと芽数が少なかったり、最悪枯れてしまうこともあります。
具体的には
- 1ヶ月前くらいから外に出して日光に当てる
- 肥料を与える
をしておくとよいです。ただし、とても暗い場所からいきなり外に出したり、根っこが痛んでいる状態で強い肥料を与えると逆にダメージになって勢力が落ちることもあるので、心配な方は事前にご相談ください。
ベンガレンシスの剪定方法
まずは剪定前と後の写真から。
一部の枝のみ剪定を行うとベンガレンシスのエネルギー(勢力)が剪定していない枝に集中し、剪定した枝にいかずに芽吹きが悪くなることがあります。できるだけ一度に全体の枝を剪定するようにしてください。
枝を切っていく
赤線の位置で切る
それぞれの枝に葉っぱを1〜2枚残す
同じ要領で全部の枝を切っていきます。葉っぱを全て落としてしまうと、水を吸い上げられなくなり、その枝が枯れるリスクが増えます。1枚でも残って入れば大丈夫なのですが、寒い時期や植物自体の勢力が弱い時は、残した葉っぱが落ちる可能性があるので多めに葉っぱを残すようにします。(3〜4枚)
同じ理由で、剪定する予定がある場合は痛んだ葉っぱでも切らずに残しておいた方がよいです。先に落としてしまっていると、葉っぱのない位置で剪定することになり、枝枯れのリスクが高くなります。
ベンガレンシスのカット位置の決め方
カットする位置は作りたい樹形をイメージして決めます。
付いていた葉っぱの根元部分から新芽が出てきます
枝が出る方向を見極めて、後々の仕上がりをイメージしながら切る位置を決めていきます。理想の形のイメージが湧かない場合は、
- 枝の根元から10cm〜15cmの位置で切る
- 植物の中心から放射線状に外に広がるように枝を作る
の2点を意識すると綺麗な樹形が作りやすいです。
同じ理由で、剪定する予定がある場合は痛んだ葉っぱでも切らずに残しておいた方がよいです。先に落としてしまっていると、葉っぱのない位置で剪定することになり、枝枯れのリスクが高くなります。
いらない枝は根元から切り落とす
内側の密集した枝や
いらない方向に伸びている枝は
根元から切り落とします
内側に密集している枝や、変な方向に伸びていていいらない枝は根元から切り落とします。
※1ちょうど切りたい位置に葉っぱがなく、枝枯れする可能性があるため、今回は切り落とします。
小さい枝はカットせずに残す
小さい枝をカットするとそのまま潰れてしまう可能性があるので、切らずに残します。
樹液で汚れないようにする
ベンガレンシスなどのゴムの木は切り口から白い樹液が出てくる
切り口から樹液が垂れてくるので、外など汚れてよい場所で剪定するか、地面に新聞紙などを敷くとよいです。また、下の枝から上の枝の順に切っていくと手が汚れにくいです。
本格的な剪定ではなく、いらない枝をいくつか切るだけなら、切り口にティッシュをちぎってくっ付けておくとよいです。2〜3分で固まるのでその後にティッシュを取り除いてください。
手に樹液が着いたら
手についたらオリーブオイルを付けてこするか、お風呂などで熱めのお湯で流しながら石鹸で洗うと落ちやすいです。樹液で肌がかぶれる人もいるそうなので、手袋をつけるなどして樹液が肌に付かないようにする方がよいでしょう。
おわりに
以上がベンガレンシスの剪定の方法になります。もし分かりにくい箇所やもっと知りたいことがありましたらお気軽にコメントかお問い合わせください。随時追加していきます。綺麗な樹形の作り方については今回はあまり詳しく触れませんでしたが、今後追加していきたいと思います。
樹形の作り方は盆栽の考え方をベースにしていますので、気になる方は「盆栽 剪定」などで検索してみてください。